今回は2025年12月に当社掛川総合研究センターで行われた「野菜品種見学会」のリポートをお届けします。
参加した感想や当日の様子を、江守さんに伺いました!
今回は2025年12月に当社掛川総合研究センターで行われた「野菜品種見学会」のリポートをお届けします。
参加した感想や当日の様子を、江守さんに伺いました!
サカタのタネ オンラインショップをご利用いただいている営利生産者さまを対象に実施し、当社品種の特性をご紹介する機会としています。
当社が管理する圃場での品種パフォーマンスを見ていただくことで、より品種の理解を深めていただくことを期待して「野菜品種見学会」を開催いたしました。
開催日:2025年12月10日(水)
場所:静岡県掛川市 当社「掛川総合研究センター」にて
参加人数:70名
●当日スケジュール
※午前の部、午後の部2回に分けて実施
掛川駅集合、バスで会場へ(所要時間約30分)
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会場内で品種の特性紹介&注意事項等説明(10分)
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2班に分かれてガイド付き圃場ツアー
キャベツ、ブロッコリー、ネギ、一坪ハウス(各10分)
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自由時間(50分)
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会場に戻り、アンケート記入(10分)
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バスで掛川駅へ、解散
Q 参加した感想を教えてください。
掛川自体、普段なかなか行かない場所なので、新幹線移動の車中から楽しくてワクワク感が止まりませんでした。バスに乗り込んだら他の参加者もいて、皆さんからも楽しそうな表情が見て取れて、ちょっとしたバスツアーのような一体感がありましたね。みんな、見学会に当選した特別感がある気もして、今回の見学会はファンサービス的な意味合いもあるのかなと思いました。総合研究センターって、いわば企業の開発の核となる場所だと思うので「そこを見学できるってすごいな」というのが、着いたときに実感したことです。
圃場に入ってからは、品目もたくさんありましたけど、野菜ごとにこれだけ多くの品種を同時に見られる機会はなかなかないので貴重でした。自分でやる場合は、普通は3品種ほどしかお試し栽培できないし、何年かかけないと見比べができないんですよ。それも土台となる畑や気候条件が年々変わるので、同時期に播種した品種を一度にきちんと見比べることはできないわけです。特に新規就農者の場合、自分で栽培試験しようとしても年に1回しかできないとすると、10年経っても10回しかテストできないですからね。そう思うと「経験として、ものすごく価値があるものを見ているんだな」と感じました。
あとはメーカーの圃場ということで手入れも丁寧に行き届いているし、展示用に栽培されているからというのはあると思うんですが、各品種の一番いい、ベストな状態のものを見られたのもうよかったです。どんなものでも、一番いいものを見ておかないと、そこにたどり着けないんですよね。そういう面からいっても、ここまで丁寧に栽培するとこんなに充実した株になるんだ、というのを知れたことは大きかったです。
そして、圃場に展示されていた看板も良かったですね。普段目にするタネ袋とはまた違った、病気に対する耐性や施肥量などの、栽培に特化した説明が要約して記載されていて。こういう情報がもっと知れるといいなと思いました。
Q 印象に残った品種を教えてください。
自分が作っていることもあり、ブロッコリーが特に印象に残りました。これまで気になりつつも栽培してこなかった品種もあり、中でも「おはよう」「サマードーム」は実際に栽培してみたいと思いましたね。特に「サマードーム」は身近に栽培している人がいないこともあり、実物を初めて見ました。自分の場合は、早生寄りの品種でないと栽培が難しいこともあって悩んではいるんですが、検討してみたいと思います。
「おはよう」については、アントシアンフリーの開発エピソードが印象に残っています。低温時にアントシアンが発生しないようにする特性ですが、その裏話というか、メーカー視点による開発秘話を聞けたのも興味深かったです。
また、一坪菜園ゾーンで見たカリフラワー「オーナメントシリーズ」も気になりました。カリフラワーは栽培が難しいイメージがありますが、うまく作れると高単価で売れるし、今後チャレンジしてみたいと思いました。特にオレンジ色の品種「SK6-804」は、カタログ以外で初めて見ましたが、きれいなオレンジで目を引きましたね。
Q 栽培現場での課題と解決策でためになったことはありますか?
ブリーダーの方から、圃場にあるブロッコリーは、病気を防ぐため排水性をよくするために畝を高くしているという説明をお聞きしました。自分の圃場でも、地下水位の高い畑では高畝にしていたので、「答え合わせ」ができてよかったです。花蕾の中に小さい葉が発生するリーフィーが窒素過多によっても起きる、という話も勉強になりました。
また、定植時の活着がとにかく大事という話で、昨今の気象状況においては、水やりをすることの重要性を感じました。忙しくてできないなどと言い訳をせず「とにかくやるしかないんだな」と。酷暑下での水やりや草対策はかなり大変ですが、それをきちんと実行することで、立派な作物を作ることができるんだなと改めて思いました。
ネギに関しても、作業コスト(時間や労力)を考えると土寄せの回数はなるべく抑えたいと考えてしまうんですが・・・。土寄せする頻度が低いと、大きく伸びた根を切ってしまいかねないので、手間を惜しまずこまめに土寄せすることが大切だと聞き、納得しました。
こういったお話をブリーダーの方から直接聞けたことや、地域の異なる参加者同士が栽培に関して意見交換されていた内容は、とても参考になりました。
Q 今後の開催に向けて、気付いたことや改善点などありますか?
今回参加してみて、イベントとしてとても満足感が高かったと思います。帰りのバスでは、参加者同士で感想を言い合ったり雑談したりする姿も見られましたし、私以外の参加者も、皆さん満足されていたようでした。
あえて言うならば、イベント実施前に参加者の皆さんから質問を受け付けて、それをもとに圃場ツアーの説明をしていただけると、より内容の濃い場になったかもしれません。
また、せっかく全国各地から生産者が集まるので、生産者同士のコミュニティの輪を広げるよう何か仕掛けをするのもありだと思いました。でもそれは、この連載したにあるコミュニティ機能と連動してかもしれませんね(笑)。
見学会終了後、参加者の皆さまにアンケートにご回答いただきました。
参加理由やご感想、皆さまが気になっていること、課題などを抜粋してご紹介します。
Q 参加した理由を教えてください。
・農業を始めて2年目のため、今後に生かせることがあればと参加した
・野菜の生産、販売に役立てたかった
・小規模で野菜を作って出荷しているので勉強のため
・プロの農場を見てみたかった、新しい品種との出会い
・上手に育つとどこまでの野菜になるのか目で見てみたかった
Q 見学会でご満足いただけた点を教えてください。
・施肥裁量が明示されていて、どういう作り方をすればよいのかよくわかった点
・多くの野菜を見ることができて楽しかった
・播種の時期や定植のやり方がわかった
・ブロッコリーやハクサイなどの品種を見比べられて、とても勉強になった
・説明が専門的でわかりやすくよかった
・困りごとの相談にいろいろな回答・ヒントをいただけた
・本当に品種の力を引きだすとどこまで育つかよくわかった
・専門家のアドバイスで課題が解決できそう
Q 現在抱えている課題や問題を教えてください
・雑草・虫などの対策
・夏の暑さ対策
・夏季の管理全般
・少し変わった品種をどう売り込めばよいのか
・天候が毎年極度に変化すること
・キャベツとブロッコリーの品種選定
Q その他ご意見や要望など
・種まき、苗作りも説明してほしかった
・販促資材を増やしてほしい
・混植栽培するときの肥料の使い方などを知りたい
・土づくりに必要な肥料や液肥などの説明もあるとよかった
・時期を変えて時々開催してほしい
【江守さんの所感】
アンケートの回答を見させていただいて、皆さんも私と同じように思われていたんだな、と嬉しくなりました。暑さや気候等について悩まれている方も多かったので、皆さんが感じる課題について、今後この連載でも取り上げていければと思いました。
今回、自由時間にお客様との対話の時間を設けたことで、参加者の皆さまが栽培で苦慮されている点、品種選びのポイントなど、非常に参考になりました。
今後はより皆さまの課題解決に向けたご提案ができるような見学会を目指してまいります。

江守 敦史
1972年 兵庫県西宮市生まれ。 いまここランド合同会社 代表 大手出版社で約20年間のキャリアを積
見学会に参加した感想や、こちらの記事を読まれた感想をお待ちしています!
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