有機肥料のみを使用し、無農薬栽培に挑戦する「七彩(なないろ)ファーム」の湯川さん。家庭菜園で”自分で作る楽しさ”を感じたことをきっかけに、JAの「明日の農業担い手塾」を経て2024年5月に認定新規就農者となりました。
作業場を自ら建て、電力はソーラーパネルで自給。約16反の広大な畑をご夫婦で切り盛りし、夏は果菜類をはじめ多品目栽培を行ってきましたが、ある出来事をきっかけに”ネギの通年栽培”に挑戦するようになったといいます。
ネギを通年販売したい理由
湯川さんは、秋冬ネギである「夏扇4号」に加え、「初夏扇2号」も栽培しています。トウ立ちの遅さが魅力で、2~3月に収穫できるように計画しているとのことです。
「一年中収穫できたら理想なので、区画ごとに品種を変えて収穫時期をずらせるように考えています。どの時期にどの品種を播種(はしゅ)するのが最適かを常に試行錯誤しています。」
通年販売への挑戦の背景には、”2~3月に販売できるものがなくなってしまった”という経験がありました。
「ネギをとり終えたのが1月で、2月3月に出荷するものがなくて困ったんです。葉物を作っていなかったので・・・。夏ネギは直売所では出している人が少なく、ライバルも少ない。ならば、さらに流通量が少ない”3月以降にもとれるネギ”をやりたいと思いました。」
無農薬栽培での苦労とこだわり
無農薬のネギは市場にはほとんど出回っていません。湯川さんは化学肥料を使わず、除草剤も使わないため広大な畑の草取りは手作業です。
「見学会で、雑草を”種が落ちる前に手で摘み取る”と聞いて、やっぱり地道にやるしかないのだと思いました。」
また、生育を左右する肥料については「有機質肥料がもっと選べるとうれしい」という要望も話してくれました。
見学会で得た学びと試したい品種
見学会は湯川さんにとって、多くの学びや気付きのある時間になったといいます。
「ニンジンとネギに興味があるので、特にそこを重点的に質問しました。試供品の『ボカシ肥料』も気になったので使ってみたいです。」
ニンジンでは、まず太りがいいと聞いて関心を持った「べーター536」を試してみたいとのこと。また、味が一番好みだという「ベータ―リッチ」も引き続き栽培する予定ですが、細長くなりやすい特性をどう改善していくかにも興味を持っているそうです。
一方ネギでは、通年出荷を目指す湯川さんにとって有力な候補として「冬扇シオン」が印象に残ったと話してくれました。年間を通して安定して収穫できる体制づくりに役立つのではないかと期待しています。
出荷と今度の展望
湯川さんは毎日出荷することを目標に、直売所、スーパー、学校給食など幅広い販路に出荷しています。
「一年を通して安定してネギを届けられるように、品種選びも工夫していきたい」と語る湯川さん。
サカタのタネとしても、通年販売を目指す農家さんに役立つノウハウや品種紹介を今後も発信します。