vol.8_産直デフレに勝つ/野菜を1円でも高く売る方法【動画解説付き!】

vol.8_産直デフレに勝つ/野菜を1円でも高く売る方法【動画解説付き!】

前回アンケートから「販売・出荷面の工夫(単価アップ)」のトピックとして、江守さんから「産直デフレ」の対応についてお話しいただきました。

夏野菜のシーズンピークを迎える中、ある時期、一定の品目の収穫が重なって同じ野菜が直売所にたくさん並び価格競争で値段が下がる、いわゆる「産直デフレ」となることがありますが、その際の対処法、1円でも他より高く売る方法を今回はご紹介します!

目次

動画で解説!産直デフレに勝つ方法

産直デフレに勝つための三つのポイント

「産直デフレ」のトピックは、しばしばメディアでも紹介されることがありますが、決定的な対処法、特効薬はありません。動画では、産直デフレとなった際の上手な切り抜け方として、三つのポイントをお話しています。

 

①他の生産者との差別化

 

②複数の販路(売り場)を持つ

 

③値決め、価格戦略

①他の生産者との差別化

単に野菜そのもの、ナスならナスをそのまま売っていると産直デフレの際、販売価格を他の生産者と同様に低価格で販売せざるを得なくなりますが、日ごろより差別化を行っていると価格は通常より少し下げても、他より若干高く(10~20円)売れます。

江守さんの場合、差別化を意識した商品作りとして、以下のことを行っています。

 

・いまここファーム(ピーちゃんマーク)のロゴやトレードマークなどのシールで生産者としてのアイデンティティー、ブランドを見える化することで、他の生産者との差別化を実施し、日ごろからファン化、リピーター作りを意識しておく。

 

・その野菜の食べ方や商品説明などをカタログ、サイト、タネ袋などを参考に添付する、POPで表示するなど提案を加えることで、単なる野菜ではなく、商品としての差別化が生まれる。

ピーちゃんマークのロゴ
手作りPOP

②複数の売り場(販路)を持つ

たとえば直売所だとナス1袋が¥178のときでも、近くのスーパーの直売コーナーでは、同じものが1袋¥238で売れるなど、売り場によって価格は微妙に違います。1カ所の直売所が産直デフレになっていても、違う直売所では産直デフレになっていないこともあります。

ポイントは、タイプの違うお店、売り場を持っておくことです。直売所でも道の駅の直売所、スーパーの産直コーナー、JAの直売所など販売動向は微妙に違います。また、ECでの直販やレストランや学校給食などのBtoBの販路を持つことで、一つの売り場が産直デフレになっても、他の売り場でカバーすることが可能です。

スーパーの産直コーナーで販売する際は、そのスーパーのチラシ、特売価格のチェックも重要です。出荷しようと思っていた品目が特売のときは、通常価格では売れなかったりするので、やはり売り場を複数確保しておくことが重要です。

③値決めと価格戦略

量と値段に変化をつけることによる差別化も可能です。たとえば値段はそのままで1袋450gを500g、550gと徐々にボリュームアップし、量でお買い得感、他との差別化を行えます。

あるいは、逆に量を減らして、1袋¥138など販売価格に応じた量に変更することでお得感を出すことも可能です。

同じ道の駅の直売所でも、平日は近所のお買い物客が多く、土日は観光客が多いなど、客層によっても購買ニーズに合わせた規格(量、値決め)で販売することも差別化のポイントです。

まとめ(江守さんコメント)

産直デフレに勝つセオリーは一つではありません。

「他の生産者との差別化」、「複数の販路(売り場を持つ)」、「値決め、価格戦略」などいろいろな要素を複合的に捉えて実践していくことがポイントです。直売所のお店の担当者、仲間の生産者からの情報収集なども含めて、販売戦略をしっかり立てて、大切に育てた野菜を1円でも高く販売していただければと思います。

江守 敦史

1972年 兵庫県西宮市生まれ。
いまここランド合同会社 代表
大手出版社で約20年間のキャリアを積み、株式会社KADOKAWAでは編集長を務めあげる。
2020年3月11日に農家の課題解決を目指す「いまここランド合同会社」を設立。

ご意見、ご感想などお待ちしております!