種まき・植え付け・ネットの設置編
種袋に書いてある発芽適温(地温)を守ろう!
種が芽を出すためには、温度、水、酸素の3条件が必要。なかでも温度は特に重要で、芽が出るまでは「地温」に敏感です。一斉に発芽させるためには、それぞれの植物の発芽適温を維持するようにします。緑のカーテンに用いる植物の多くは、発芽適温が20℃以上の高温性植物。5月中までの種まきでは保温が必要です。
残暑まで緑のカーテンが必要なら、保温箱などが不要な6月中~下旬の遅めにまこう!
緑のカーテンが必要なのは梅雨明けから。ゴーヤーなら5月下旬にまけば間に合います。しかし、その場合は、8月下旬には株が枯れてしまう可能性があります。残暑の激しい9月にもカーテンとして機能させたいのであれば、6月中~下旬に種まきをして、7月上~中旬に苗を植え付けるスケジュールがベストです。6月なら保温することなく発芽適温を十分に確保できます。
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硬実種子のゴーヤーは、ビニール袋に種と常温の水道水を入れ、空気を抜いた状態で水が漏れないように封をする。その後、6時間ほどおいてからまく。
※発芽までは24時間、常温を保つことを推奨します。 -
培養土を入れた直径9cmのポリポットに、ゴーヤーの場合は深さ約1.5cmのまき穴を2カ所開ける(鉢底の穴は、タマネギの皮や落ち葉などでふさぐとよい。植物の種類によりまき穴の深さは5mm~1.5cmにする)。
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各穴に種を2~3粒ずつまく(面を下にしてまく)。
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種に土をかける。
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土表面を軽く手で押さえ、土と種を密着させる。
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しっかり水やりし、日当たりのよいところへ。必要に応じ保温箱などで管理する。
芽が出るまで水を切らさないようにしよう!
発芽は乾いた種が水を吸うことで始まります。土から芽を出すまでは土が乾かないようにすることが大切で、芽が出るまではこまめに水やりをします。
芽が出たらモヤシのような苗にならないように日当たりと風通しのよいところで育てよう!
発芽が始まったら、モヤシのような苗(徒長という)にならないように日当たりと風通しのよいところで管理します。
朝にたっぷり水やりをして、雨や曇りの日など土が乾いていないときはしないように!
芽が出たらそれまでとは一転して土の表面が乾いたらたっぷりと水やり。根腐れや、徒長(モヤシのように伸び過ぎること)を防ぐため、メリハリのある水やりをします。ただし、土が乾いたかどうかは、一日植物に付き添うわけにもいかないので、晴れるようなら朝、鉢の底から水が流れ出るまでたっぷりとやります。葉が垂れていない限り、一日曇りや雨なら水をやらなくても大丈夫です。
本葉2枚程度までに、苗を1ポット1本になるように間引きをしよう!
ポットまきでは一般的に1ポットに数粒の種をまきます。発芽後、本葉が出てきたら頃合いを見て間引きをします。ゴーヤーの場合は本葉2枚になるころまでに間引きをします。
引き抜かずハサミで切れば、残す株へのダメージが少なくて済みます。
ネットはピンと張り、支柱はとにかくしっかりと固定しよう!
ネットの上下は支柱など、左右はロープを使って、結束バンドなどで固定し、できるだけピンと張ることが大切です。ネットのたわみは強風などで破損するきっかけになることがあります。
果菜類や、葉が大きめの植物では、できるだけネットは70°程度の角度をつけよう!
果実が垂れて付く果菜類や、葉が大きめの植物では、ネットが地面に対してできるだけ70°程度の角度になるようにしましょう。ネットに角度を付けることで、風などによりネットと花や葉、果実がこすれることによる傷みが少なくなります。
高い場所での作業は、作業者が転落したりや物が落下しないよう十分注意します。※台風などの強風時は事前にネットを外して、地面に下ろしておくことを推奨します。
2階にベランダなどがあれば柵や手すりにネットの上部をしっかりと結び付けます。ない場合は雨どい用の金具(強度を確認)などでも可能です。
高い場所での作業は、作業者が転落したり物が落下しないよう十分注意します。※台風などの強風時は事前にネットを外して、地面に下ろしておくことを推奨します。
屋根があれば床と屋根を物干し用の突っ張り棒を使ってしっかりと固定し、支柱にネットを針金などで結び付けます。屋根がない場合は柵や手すりなどの頑丈な場所を工夫して利用するか、固定された物干し用金具などを支柱代わりに利用します。壁にコンクリート用粘着フックなどを取り付け、そこにネットを固定する方法もあります。
定植前と定植後で気温が異なる場所に植え付ける場合は、「慣らし」をしよう!
苗がある程度の大きさになったら、緑のカーテンを設置する場所に置いた鉢に植え付けます。苗を購入する場合にはここからが栽培スタートです。育苗した場所と植え付け場所で気温が異なる場合、特に気温が低い時期に植え付ける場合に「慣らし」を行います。慣らしは、植え付けの数日前から保温箱のフィルムを日中開けるなどして徐々に苗を外気温に慣らす作業です。
定植後、気温が低い時期はホットキャップなどで保温をしよう!
まだ気温が下がる可能性のある5月中までは、定植後もホットキャップなどで保温した方が安全です。特に苗を購入した場合には、生産地で加温管理されていることが多いため、最初は保温をして、徐々に日中だけキャップを外すなど、「慣らし」をしていくことが大切です。
苗から育てる場合、苗が届いたら、遅くとも数日のうちに植え付けよう!
ポットの中で十分に根が回っている苗は、そのままにしておくとやがて老化し葉が黄色くなってきてしまい、後の成長が悪くなります。できるだけ早く、遅くとも数日のうちに植え付けるようにしましょう。
植え付けは雨の日や風の強い日は避けて、植え付け前に水やりを!
植え付けは、雨の日や風の強い日は避けるようにします。定植前、苗にしっかり水をやっておきます。バケツなどに張った水につけてもよいです。少し時間をおいて水が切れたら植え付けます。
苗は浅めに植えよう!定植後も水やりはたっぷりと!
鉢には縁から2~3cm下まで用土を入れます。植え穴を開けて、土を崩さないようにポットを外して、地面よりも鉢土の上の面がやや高くなる程度に浅めに植え付けます。
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苗は植え付け前に水につけ、植え付け前までに水切りしておく。
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植え穴を開ける。
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ポットを外して植え付ける。
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仮の支柱に縛る。
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たっぷり水をやる。
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約20Lで1株、約40Lで2株が目安。