抜いても抜いても生えてくる雑草。腰をかがめて暑い炎天下の作業は大変!除草剤を上手に使って除草の重労働から解放されてみませんか?選び方や使い方が不安な方のために除草剤の基本から分かりやすくご説明いたします。
除草剤のタイプや用途・効果を正しく学んで、
除草剤で毎年負担になる除草作業を軽減していきましょう!
農耕地用
こんな方におすすめ
- 畑のうね間で使いたい
- 庭木の下草
- 果樹の下で使いたい
特徴
- 作物を摂取しても問題がないか、土壌などへの環境汚染の心配がないかを細かく検査して、安全な使用量が決められている
緑地管理用
こんな方におすすめ
- 駐車場や空き地など、周囲で農作物を育てていない場所で使いたい
特徴
- 農作地の周囲では使用できない
農薬取締法に注意!
畑や、人が植物を植えた庭などに除草剤を使用する場合、「緑地管理用」の除草剤は使用できません。畑などでは対象作物の記載がある「農耕地用」の除草剤が使えます。
「農耕地用」および「緑地管理用」の除草剤は、「農林水産省登録第○○号」と表記され、作物や動植物の安全性など厳しい検査に合格したものが、農薬として登録されています。
一方で、農薬として登録されていない「非農耕地用」の除草剤というものもあり、「農薬として使用できない」という表記が義務付けられています。
家庭菜園や自宅の庭木周りで「非農耕地用」や「緑地管理用」の除草剤を使用した場合も、法律違反となります。使用用途に合わせて、パッケージの表記をしっかり確認しましょう!
粒剤
こんな方におすすめ
- これから雑草が生えてくるのを予防したい
- 雑草が生え始めてきた
- 長期間、効果を持続させたい
- 駐車場や空き地など広い範囲を除草したい
- ススキなどの強力な雑草も枯らしたい
特徴
- 速効性はないが持続期間が長い
- 短いものでも3カ月、長くて半年ほど効果が持続する
- 土に振りかけて使う
- 雑草の発生前の予防から使える
- 雑草の生育初期に有効
- 膝より上に伸びた雑草は不向き
- 「土壌処理型」と呼ばれている
液剤
こんな方におすすめ
- 今雑草がたくさん生えていて困っている
- 散布直後に植物を植えたい
- 子供やペットが遊ぶ場所を除草したい
- 庭木の根元や家の周りなどに使いたい
特徴
- 速効性が高い
- 雑草の葉の表面に振りかけて使う
- 土に触れると効果がなくなるので、雑草の予防には使えない※1
- 比較的大きく伸びた雑草でも有効
- シャワー、スプレー、水で薄めるなどのタイプがある
- 雨で流されると効果が出ないので、天気に注意する
- 「茎葉処理型」と呼ばれている
※1 一部シャワー剤で予防に使えるものもあります。
土壌処理型
こんな方におすすめ
- 雑草全体を広範囲に枯らしたい
- 竹のような塊茎で増えるスギナなどを根まで枯らしたい
特徴
- 成分が植物全体に浸透するため、効果にむらが出にくい
- 成分を吸収するまで時間がかかるので、すぐに効果が出ない
※土壌処理型の場合も、効果が早く出る除草剤があります。
使用前に商品説明をしっかり確認するようにしましょう。
茎葉処理型
こんな方におすすめ
- できるだけ早く枯らしたい
- 特定の場所をピンポイントで枯らしたい
特徴
- 成分によっては、かけむらがあると、枯れる部分もむらが出てしまう
選択性
こんな方におすすめ
- 農作物がある畑や芝生などは枯らさずに、雑草だけを枯らしたい
特徴
- 万が一、農作物にかかったとしても安全性が高い
非選択性
こんな方におすすめ
- 生えている植物を選ばずにとにかく枯らしたい
特徴
- 枯らしたくない植物の近くにまくと、一緒に枯れてしまう可能性がある
粒剤
まく場所
- 建物の隙間や駐車場・周囲に畑がない庭など
- 雑草の予防をしたいところ
事前準備
- 草刈りをした直後、またはまだ雑草が生えていない状態にする
まくタイミング
- 春と秋、年2回(2~3月、9~10月)
- 雨上がりや雨が降った翌日
散布量
- 雑草の種類や量によっても変わるため、商品の説明に従う
散布方法
- まきむらの無いように丁寧にまくのがコツ。一度にまききらず、散布面に対して2往復するようにまく。
液剤
まく場所
- 除草したい場所にピンポイントでまく
事前準備
- 30cm以上伸びた雑草は刈っておく
- 水で薄めるタイプはジョウロや噴霧器を用意する
まくタイミング
- 春から秋(4~10月)
- 翌日に雨が降らない日の午前中
- 1週間ほど経過して枯れ残りがあれば再度まく
散布量
- 雑草の種類や量によっても変わるため、商品の説明に従う
散布方法
- まきむらの無いように丁寧にまくのがコツ。一度にまききらず、散布面に対して2往復するようにまく。
- どのくらいの期間で効果が表れますか?
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粒剤
土に散布してから効果が表れるまで1~2週間がかかります。
枯れ始めると3カ月から半年程度、雑草の発生を抑えられます。
液剤
雑草の葉に直接散布するので、粒剤に比べて早く、2~3日で効果が表れます。
土の中の種までは枯らさないので、2週間程度で雑草が発生することがあります。
- 散布するタイミングはいつがよいですか?
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粒剤
雨上がりや雨が降った翌日など、土に水分があるときにまくと効果的です。まいた後は、粒剤が流されてしまうような豪雨が予想される日も避けます。
液剤
翌日に雨が降らない日の午前中に散布します。まいた後も6時間は雨が降らないような日に作業します。
- 樹木の下に使える除草剤はありますか?
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樹木の下に除草剤を使う場合は、必ず「樹木類(樹木類の下草除草に使用できる)」の登録がある商品だけを使用しましょう。
- ペットがいる庭で使える除草剤はありますか?
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家庭用の除草剤はペットがいる庭でも使用可能です。ただし、除草剤を散布している最中および散布当日中はペットが散布場所に立ち入らないように、注意してご使用ください。散布翌日以降であれば散布場所にペットが立ち入ることは問題ございません。
もし、ペットに除草剤が付着してしまった場合、体に付いた除草剤をなめてしまう可能性がありますので、すぐに洗い流しましょう。
- 「残効性」と「残留性」の違いは何ですか?
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除草剤を散布した後に土に効果が残る期間を「残効性」と言います。
除草剤の成分が植物に吸収された後、雨や風、太陽光、菌や微生物によって、飛散・分解されて成分が弱まります。それでも土の中に除草剤の成分がとどまることを「残留性」といいます。
製品により適用場所、適用雑草、使用時期、使用量、使用回数などが異なります。ラベルを確認して記載内容をしっかり守りましょう。
除草剤を使用するときは、肌が出ない服装で作業します。噴霧器を使う場合は、ゴーグルや農業用マスクも着用します。除草剤が肌に直接触れてしまった場合は、直ちに水で洗い流します。目に入ってしまった場合も、直ちに水で洗い流して医療機関を受診しましょう。
雑草が覆い茂っている場所は、虫除けスプレーも忘れないようにします。タオルや作業後の着替えを用意しておくのもおすすめです。作業後の衣類や靴は薬剤が付着しているので、しっかり洗濯をしましょう。
隣の庭の草木を枯らしてしまった、洗濯物に付着してしまった、といった意図しないトラブルにならないように、散布方法や強風などの天候にも注意します。
安全性をうたった除草剤でも懸念される方がいらっしゃいます。除草剤を使うことを事前に伝え、了承を得ておくとよいです。
使用済みの容器は、2~3回水でよく洗って、洗浄後の水は除草する場所にまきます。洗浄後の水を下水道等に絶対流さないようにしてください。容器は各自治体に従って正しく処分しましょう。