「レインリリー」とも呼ばれるゼフィランサス。最近では園芸品種も増えて新色が加わり、カラフルな花色が楽しめます。ゼフィランサスの特徴と、その魅力をご紹介いたします。
ゼフィランサスは夏の花の少ない時期に、周期的に色鮮やかな花で庭を彩ってくれる貴重な花です。原産地は中南米などの熱帯のものが多く、日本へは、早いものは江戸時代に渡来して、サフランモドキやタマスダレの名で古くから親しまれている球根植物です。
ゼフィランサスは英名の「レインリリー」とも呼ばれ、雨の後に花が咲くことを強調する愛称として広く使われています。
ゼフィランサスは、原産地の周期的な降雨による水分が刺激となって、球根内で次々と作られる花芽が急速に大きくなり、短期間に一斉に花を咲かせる性質があります。そのため、1輪の花もちは2~3日と短いですが、夏から秋にかけて何回も花を楽しむことができます。
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ゼフィランサスはもともと中南米など気温の高いところの植物です。そのため暑さには強い品種が多く、たいていの場所で育てることができます。
乾燥や多湿にも強いので、鉢植えや屋上・ベランダなどの栽培にも向いています。近年の日本の暑い夏や、大雨にも耐えることができます。よほど暗くなければ、多少日当たりの悪いところでも育ちますので、いろいろな場所で楽しむことができます。 -
ゼフィランサスの多くは暑さに強いだけではなく寒さにも耐えることができます。
品種差はありますが、関東以西ではたいていの品種が植えたままで冬越しが可能です。
また、球根が混み合ってもよく開花するので、数年植え替える必要もありません。栽培に手間がかからないのも魅力の一つです。
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ゼフィランサスの球根の植え付けは、間隔が1~3㎝程度あれば十分です。乾燥に強く、狭い場所で多少混み合っていた方がよく開花する性質を生かして、花が咲いたときにより華やかになるように密植するのがおすすめです。
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原種の白い花の「カンジタ(タマスダレ)」、黄色い花の「シトリナ」、ピンク色の「カリナータ」が有名ですが、どれも品種改良されていない原種です。そのため、原種同士をミックスで植えても草丈や開花がそろわないので、各花色を固めて植えた方が庭を華やかに彩ってくれます。
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一方で「アルジュナ」シリーズは、草姿や開花のタイミングがそろうように品種改良されているので、花色ごと固めてではなく複数の品種をミックスで植えるのもおすすめです。それぞれの花色が調和して、よりカラフルにお互いを引き立てます。
このようにゼフィランサスは原種と園芸品種の「アルジュナ」シリーズとで草丈や花が咲く時期に違いがあるので、植え方をひと工夫するだけで見栄えが変わってきます。