家庭菜園でも育てやすい品種選びと栽培ポイントを押さえれば、ご家庭でも立派な大玉トマトが収穫できます。露地で雨よけせずに大玉トマト「麗夏」を栽培している生産者の「おいしく作る」秘訣もご紹介します。家庭菜園で育てた真っ赤なトマトは買ったものとは比べものにならないおいしさがありますので、ぜひ挑戦してみてください。




真っ赤に熟すまで待っても果実が割れにくい
王様トマトシリーズの一つである、大玉トマトの「麗夏」。王様トマトシリーズは、どれも果実が割れにくいので、へたまで真っ赤に熟させてから収穫する“赤熟もぎり”ができます。

真っ赤に熟したら熟れ過ぎないの!?
王様トマトシリーズは、肉質がしっかりしているのが特徴のため、他の品種より真っ赤に熟しても歯応えがよく、日持ちがします。

太陽の光をいっぱい浴びることができるからおいしい!
王様トマトシリーズは、赤く熟すまで待つ分、太陽の光をいっぱい浴びることができるので、栄養やうまみ成分をたくさん蓄えることができます。
その結果、一口頬張ると、たっぷりの果汁があふれ、甘みや程よい酸味、うまみが口いっぱいに広がります。

生のままでも加熱してもおいしい!
王様トマトシリーズは、味だけでなく、肉質もしっかりしているので、生のまま使ったり、加熱したり、さまざまなレシピに活用できます。
通常の品種よりもゼリー分が少ないのも特徴なので、あまり水分が染み出してほしくないサンドイッチやハンバーガーなどにもおすすめです。




トマト生産のプロが太鼓判!病気などに強く、家庭菜園でも育てやすい!
栽培ポイントを押さえれば、病気や生理障害に強く、さほど手間がかからないのが「麗夏」をおすすめする理由です。
トマト生産のプロも「さまざまな品種の中でも『麗夏』は露地栽培でもよく育ち、作りやすいので、家庭菜園向きのトマトですね」と、太鼓判を押すほど。






水分を抑えめにする
植え付け場所は緩やかな
傾斜にする
植え付け場所は、雨などで水がたまらないように緩やかな傾斜にします。露地栽培では水分をコントロールすることが難しいですが、水分を抑え気味にできれば甘くておいしいトマトができます。
※極端な乾燥が続いた場合、裂果が起こりやすくなるので、注意しましょう。

丈夫で健康的な株を
作る
ミルフィーユ状に堆肥と有機質肥料を入れる
畝の下をよく掘り、ミルフィーユ状に堆肥と有機質肥料を入れます。しっかり掘ることで、土が軟らかくなり、空気がよく行き渡るので、根がしっかり張っていきます。
根が成長する過程でミルフィーユ状に入れた肥料分を徐々に吸い上げていくので、丈夫で健康的な株に成長していきます。肥料の過剰摂取も防止できます。
丈夫な株を作ることは、天候不順にも負けず、おいしいトマトの収穫につながります。この方法は元肥を重視した方法なので、追肥の目安は、第3果房の果実がピンポン玉ぐらいまでに成長したころになります。

適度な株の勢いを
維持する
「わき芽の成長具合」「葉の状態」で、追肥と水を加減する
株の勢いが弱い
わき芽が十分に成長しない、葉がしおれたりしたときは、極端な干ばつなどにより、株の勢いが弱くなっている可能性があります。追肥と水を与えて株の成長を回復させましょう。
株の勢いが強い
主茎とわき芽の区別が付かないほど、わき芽が成長しているとき、肥料と水分過多で株の勢いが強くなっている可能性があります。このような場合は、肥料と水分は抑えめにしましょう。





果実へ養分を送る
わき芽をしっかり摘む
わき芽を取らないと、果実へ養分が行き渡らなくなるので、わき芽はしっかり摘み、果実を充実させるようにしましょう。
苅部 博之さん
江戸時代から続く農家の13代目。
横浜市保土ケ谷区で年間100品目の露地野菜と果樹を栽培。収穫したものをその日のうちに販売できる地産地消を目指した都市型農業を実践。就農希望者を支援する「農業塾」・「百姓塾」代表。