長ネギを育ててみたいと思っているけど、どの品種を選んだら良いか迷っている方も多いのではないでしょうか。迷わずに長ネギを選べるように用途に合わせて、品種の特徴をご紹介します。
ネギとは?
根深ネギ(一本ネギ)
葉ネギ
根深ネギ(一本ネギ)
ネギは1000年以上前に日本に伝えられ、「関東は白、関西は青」といわれ、関東とその以北で一般的な根深ネギ(長ネギ)と、関西以西で一般的な葉ネギ(小ネギ)に大きく分けられます。
関東の人が「関西人はケチだから青いところまで食べる」と言えば、関西の人が「関東人は田舎者だから白いところまで食べる」と、昔、笑い合ったそうです。
葉ネギ
長ネギは、緑色の葉身と白色の葉鞘(ようしょう)からなります。土寄せをすると葉鞘部が上に伸びる性質を利用して、白く長くさせていきます。
長ネギでは、春に種をまき、夏に苗を植え付け、秋冬に収穫すると作りやすいです。しかも、霜が降りるとおいしい冬ネギが収穫できます。
部位別 ネギのおいしい使い分け
緑色の部分
辛みと香りが強く、薬味に最適。斜め切りや繊維に沿って縦切りにするのがおすすめ。
- 中華炒め、スープ、みそ汁など
分岐の部分
辛みと甘みがあり、火を通すととろみが出る。斜め切りや繊維に沿って縦切りにするのがおすすめ。
- 豚ネギ炒め、スープ、みそ汁など
白い部分
辛みと甘みのバランスがよく、柔らかい。
外側と内側で食感が違うので、分けて別々に調理するのもおすすめ。
- 麺類、丼もの、焼きネギ、なべ物など
根に近い部分
甘みが強く、肉厚で繊維がしっかりしている。繊維が細いので小口切りや白髪ネギにして生で食べるのがおすすめ。
- 焼きネギ、冷ややっこ、鍋物、ぬた、薬味など
ネギ坊主も食べられる!!
一番のおすすめは天ぷらで、サクッとした食感にほんのり甘みもあり、とてもおいしいです。
ネギ坊主は写真のように花が開く前のつぼみの状態を収穫します。薄皮が開いて開花してしまったものは花が乾燥して口当たりがよくなかったり、つぼみが硬く緑が濃いものは苦いのでおすすめしません。
スーパーなどでほとんど出回らないネギ坊主は、家庭菜園でしか味わえない醍醐味です。焼きネギ坊主、炒め物、みそ汁、和え物などいろいろ楽しんでみてください。
用途で選ぶイチオシ品種
早く収穫できて
病気に強い長ネギ
「夏扇4号」
こんな方におすすめ!
- 長ネギ栽培に初めて挑戦する方
- 作りやすさを重視する方
夏~冬収穫向き
しっかり太って失敗しにくいです。
耐暑性、耐寒性に優れ、べと病、さび病、黒斑病にも強い丈夫な品種です。
こんな方におすすめ!
- 長ネギ栽培に初めて挑戦する方
- 作りやすさを重視する方
夏~冬収穫向き
しっかり太って失敗しにくいです。
耐暑性、耐寒性に優れ、べと病、さび病、黒斑病にも強い丈夫な品種です。
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売れてます サカタ交配 扇ネギシリーズ 早太りで、暑さ寒さ病気に強い
初心者におすすめ
苗の販売もあります
低温期の伸びと
太りが抜群な長ネギ
「夏扇パワー」
こんな方におすすめ!
- 厳寒期でも葉を枯れさせたくない方
- 畑に長く置いておきたい方
夏~冬収穫向き
根の張りがよく耐暑性、耐寒性があります。
べと病、さび病、黒斑病に比較的強いです。
こんな方におすすめ!
- 厳寒期でも葉を枯れさせたくない方
- 畑に長く置いておきたい方
夏~冬収穫向き
根の張りがよく耐暑性、耐寒性があります。
べと病、さび病、黒斑病に比較的強いです。
小葉で風に強く夏越し
しやすいタフな長ネギ
「夏扇タフナー」
こんな方におすすめ!
- 冬の寒さや風害に強いネギが欲しい方
- 畑に長く置いておきたい方
夏~冬収穫向き
根の量が多いため、暑い時期でも枯れにくいです。霜による葉折れが少なく、厳寒期も比較的枯れ込みにくいです。
こんな方におすすめ!
- 冬の寒さや風害に強いネギが欲しい方
- 畑に長く置いておきたい方
夏~冬収穫向き
根の量が多いため、暑い時期でも枯れにくいです。霜による葉折れが少なく、厳寒期も比較的枯れ込みにくいです。
長ネギ おすすめ品種を比較!
品種の特性
品種名 |
夏扇4号 |
夏扇パワー |
夏扇タフナ― |
収穫時期 | 収穫量 | 太さ | 耐寒性 | 耐暑性 | |||
夏 7~9月 |
年内 10~12月 |
冬 1~2月 |
春~初夏 3~6月 |
||||
〇 | ◎ | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ |
◎ | 〇 | ◎ | × | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
× | 〇 | ◎ | × | 〇 | △ | ◎ | ◎ |
趣味・愛好家向け作型図※
(関東基準)
- ※苗床をつくる場合の作型図です。
- ※栽培方法・時期は目安です。適温での種まき、地域や条件に合わせた栽培をおすすめします。
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凡例
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地域区分
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生育条件
- 日当たり:日なた
- 発芽地温:20℃前後
- 土壌酸度:弱酸性~中性
「夏扇4号」
「夏扇パワー」
「夏扇タフナー」
-
売れてます サカタ交配 扇ネギシリーズ 早太りで、暑さ寒さ病気に強い
長ネギの育て方・栽培方法
苗作り用の畑の準備
種まきの2週間以上前に1平方メートル当たり苦土石灰を2握り(約100g)を入れてよく耕します。
1週間前に1平方メートル当たり堆肥を約3kg、化成肥料を3握り(約150g)入れて、再度耕します。
種まき
幅60~90cm、高さ約10cmの畝を作ります。種をまき溝に5mm間隔ですじまきします。通常は3列ですが、長ネギの本数を多く育てたいときは5列にします。
3~5mmの厚さの覆土をして、手でしっかりと押さえ、水やりをします。発芽するまでは乾燥を防ぐためわらや寒冷紗などで覆うと、1週間ほどで発芽してきます。
間引き
草丈が6~7cmになったら1.5cm間隔に、草丈が約10cmになったら3cm間隔になるように間引きをします。
追肥
種まき後1カ月ごとに化成肥料を1平方メートル当たり1握り(約50g)ばらまき、クワや移植ゴテなどで軽く耕します。
定植用の畑の準備
長ネギを定植する予定の畑は定植の1週間ほど前に1平方メートル当たり2握り(約100g)の苦土石灰を耕さずにばらまいておきます。定植当日に深さ20~25cm、底幅20cm程度の溝を掘ります。
定植
株間5~8cm間隔に植え溝の側面に苗を立てかけ、Aの土を溝の底のAのように3cmほど覆土して、根元を安定させるために踏み固め、苦土石灰を薄くかけます。この上のBに敷わら・堆肥・もみ殻などをかけて乾燥を防ぎます。
土寄せ・追肥
定植後40~50日、2回目、3回目は3週間ごと、最後は収穫30~40日前に葉が集まっているところまで図のように土寄せを行います。
追肥は化成肥料を1平方メートル当たり1握り(約50g)とします。
病害虫
さび病・べと病は3~6月と10~12月に多く発生しやすいので、発生が多い時期は事前に薬剤散布して予防に努めます。また、乾燥しているときにはスリップス、ヨトウムシ、ハモグリバエなどが発生しやすいので、こちらも予防のため早めに散布しましょう。
収穫
軟白部分が長くなったら、畝の端からクワやスコップで土を崩して、土を掘り上げた方に長ネギを傾けて必要な分だけ軟白部を傷めないように抜き取ります。
長ネギ栽培のよくある質問
- 長ネギの種を秋まきし、春に苗を植え付けるのですが夏までに枯れてしまう株が多く、よくできたことがありません。どんなことに気を付けたらよいのでしょうか。
-
長ネギの苗を植え付けても、次第に枯れてしまうときは、原因のほとんどが元肥が強過ぎて根焼けを起こしたか、植えたときの覆土が厚すぎて空気不足になり、新根がうまく伸びることができなかったためです。
元肥に化成肥料を使わず苦土石灰と堆肥のみにして、植え付けは根を隠す程度に浅く植えます。植え溝には敷わらや落ち葉などを入れて、暑さと乾燥を防ぐようにします。3週間したら初めての土寄せと追肥を行います。土寄せと追肥はこまめに回数を分けて行い、3週間おきに3回の土寄せで溝が埋まるようにします。
- 長ネギを収穫しましたが、白い部分が長くなっていません。半年以上育てたのにガッカリです。どうしてでしょうか。
-
長ネギは、緑色の葉身と白色の葉鞘(ようしょう)からなっています。土寄せをすると葉鞘部が上に伸びる性質を利用して、長く軟白化させていきます。
長く育っていないということは、土寄せの量や回数が少なかったのかもしれません。栽培期間中に追肥を兼ねて4回の土寄せをします。一度に多くの土を盛らないように6~7cmずつ化成肥料も一緒に施し土寄せをします。最後の土寄せには追肥は行いません。
- 長ネギの種を3月にまき、苗が15cmほどに育ってきました。最近になって、葉に白いすじ状のかすり模様が入って成長が止まり、葉先から枯れてきます。何の病気でしょうか。
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病気ではなく、スリップスとも呼ばれるアザミウマ類の食害です。5~6月に、晴天が続くと一挙に増えて被害が多くなります。1mm余りの虫で、目を凝らしてやっと見える程度なので、気付かないうちに被害が進んでしまいます。
幼虫・成虫とも葉にとどまって葉の汁を吸い、被害の跡が白くかすり状に色が抜けてきます。被害が激しい細い苗や、定植直後の弱った苗は枯れてしまうことがあります。
被害が軽いうちの防除が大切なため、あらかじめ土壌散布用の殺虫剤を株元に混ぜておきます。また、白く細かい斑点が見えだしたら早めにスプレータイプの殺虫剤を散布します。スリップスを誘引する虫取りシートや光反射フィルムも効果があります。
- 長ネギを年間を通して収穫したいのですが、ネギ坊主が出てしまう4月から夏までがどうしても収穫できなくなってしまいます。7月に少しでも早く収穫するにはどうしたらよいでしょうか。
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長ネギは暑さに弱く、5~8月までの期間は、生育も進まず病気も多いため栽培が最も難しい時期です。
「春扇」や「初夏扇」などネギ坊主の出るのが遅い品種ができて収穫期の幅は広がりましたが、それでも一部の限られた地域で生産される以外、一般的にはこの時期に収穫できる長ネギは少なくなります。残念ながら一般の家庭菜園での収穫は諦めた方がよいと思われます。
用途で選ぶイチオシ品種3選 商品ラインアップ
迷ったらこれ!早く収穫できて病気に強い長ネギ
初心者におすすめ
苗の販売もあります
暑さ・寒さに強い!低温期の伸びと太りが抜群な長ネギ
強風でも倒れにくい!小葉で風に強く夏越ししやすいタフな長ネギ
その他のおすすめネギ
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約2500粒 実咲 袋通常価格385円 (税込)約3000粒 20mL 袋通常価格385円 (税込)約30000粒 2dL 袋通常価格3,520円 (税込)約150000粒 1L 袋通常価格17,600円 (税込)シーダーテープ (20m)袋 ※1m当たり100粒詰め通常価格480円 (税込)
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3000~3900粒 20mL 袋通常価格385円 (税込)30000~39000粒 2dL 袋通常価格3,520円 (税込)150000~195000 1L 袋通常価格17,600円 (税込)